ビーズ刺繍の星座早見盤(2014)


ビーズ刺繍の星座早見盤~柔らかな宙のある生活(2014)

2014年8月の博物ふぇすてぃばる!「ガクモンからエンタメ」発表作品が第1号です。
画像はその後、改良した第2号です。「こんな星座早見盤がほしい!」を形にしました。

<コンセプト>
宙のある優しい生活をイメージして、柔らかな雰囲気の素材を使って制作しました。
多くの方に星に興味を持っていただけるよう、 優しく可愛らしいナチュラルテイストのデザインにしました。
星座早見盤は平べったいので、本棚でも見つけにくい事があります。
しまいこむのではなく、いつでも星空宇宙を身近に感じて生活できるよう、
部屋に飾れるインテリアとしてデザインしました。

星の盤面の中にはキルト綿が入っているので柔らかく、星座早見盤のぬいぐるみのようです。

<制作のこだわり>
天文解説、星空案内をしている時に 、特にお伝えしたいこと、知っていただきたい事などを
わかりやすくお見せする事ができるように、
糸の色や太さ、ビーズや天然石の色や大きさを変えて、刺繍とビーズ刺繍で表現しました。

肉眼で見える星は6等星程度までと言われています。
都会など建物があったり街明かりやで明るめの空でも、晴れた澄んだ夜空なら比較的見えることのできる星座を中心に、
4等星程度までの星を、見た時、使った時のわかりやすさを優先して刺繍しました。
最新の天文シミュレーションソフトで、星座の星の明るさを1つずつ確認しています。

1等星はパールや天然石
2等星は丸大ビーズ
3等星は丸小ビーズ
4~5等星は糸で表現しました。

上側の茶色の盤は柔らかめの合皮です。一番下の盤は厚地のフェルトです。
大きさは約21cm×21cmです。

1等星のパール・ビーズは、オリオン座のゲテルギウス、さそり座のアンタレス、おうし座のアルデバラン
など「赤い星」と称される赤みがかった星は、赤い天然石(インカローズ)を使用しています。

多くの方に馴染みの深い星座である「黄道12星座」は、ラメの銀糸を使って刺繍しています。
そのことで、盤面の上で、黄道(太陽の通り道)

<エピソード>
実際に回転するので、四季の星座をめぐることができます。
展示したり、皆さんにお見せする際には、「ぜひ実際に触って、回して、遊んでください!」
とお伝えしております。
ぱっと見て目立つ大きなビーズ(パール、天然石)の存在から、全天に1等星(以上)は21個あることや、
星の等級は地球から見た見かけの明るさである、という話に広げることができました。
「この赤い星は何?」というところから赤っぽい星=年を取った星、星にも年齢がある、
という話になったり、ベテルギウスが爆発するのでは、という話につなげる事ができたりしました。

実際に触ってビーズの大きさの違い=星の等級(地球から見た星の明るさ)の違いを確認できる
ということから、視覚に不自由さをお持ちの方にも触ってお楽しみいただける、
「星座早見盤」が体感していただける、という事がありました。
これは結果的な事ではありましたが、宇宙の話題をより多くの方々と共有できることを目指す私にとって
純粋に嬉しく、またそれ以上に考えさせられる出来事でもありました。
この作品は、気軽に持ち歩いて、皆さんに興味を持っていただく入り口、会話のきっかけの物でした。
布と糸とビーズで作るものですので、星の位置が厳密に正確にはなりませんが、
できるだけ正確な情報に近づけつつ、「まずは興味持って話題を楽しむ」事を目指したものでした。
今後は、より大きな作品を制作予定です。盤面が大きく、ビーズも大きくなることで、
より触ってわかりやすくなるはずです。そのことで、より多くの方々と共有して楽しむことができたら嬉しいです。

皆さんの宙が晴れやかでありますように… 祈りを込めて。


ページ上部へ戻る