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レポート1【ポスター発表・UD天文解説】@国際光年の総括シンポジウム


(作成中のページです)
2016年1月11日(月・祝)に開催された
「みんなで報告・国際光年2015「宇宙からの光」総括シンポジウム」にて会場にてポスター発表を行いました。
http://prc.nao.ac.jp/fukyu/iyl2015/
以下、下記のお知らせのご報告・レポートになります。

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< 発表タイトル >
「宇宙からの光」を共有する ~ユニバーサルデザインを意識した天文普及活動  
点図と模型・「触ってわかる」ツールを用いた天文解説   
視覚障害支援イベントにおける天文解説ボランティアの事例報告
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UDポスター発表

(参考リンク)1-11国際光年2015「宇宙からの光」総括シンポジウムでポスター発表を行います
http://teruteruza.com/news/presentation20160111/
(参考リンク)アメディアフェア2015(視覚支援機器の展示会)での天文解説のレポート
http://togetter.com/li/916727
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< 経緯 >
ご縁があって、2015年12月に、視覚障害者を支援するイベントで私は天文解説を行いました。
その時の反響、気が付いた点、改善点と可能性などを事例としてポスター発表で報告をしました。

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< 事前の課題 >
宇宙を解説する時、私達は映像やイラストをよく使用します。
宇宙を理解しようとする時、私達は視覚に頼りがちかもしれません。

視覚からの情報が主な確認手段となる事が多い星空・宇宙の話題を、
視覚に不自由さをお持ちの方々が理解しやすいようにお手伝いするには、
どうお伝えするといいのか。ただ科学的事実を伝えるだけではなく、
その先の宇宙の「楽しさ」や「不思議さ」までを「共有」できるように、
ユニバーサルデザインを意識した天文解説・普及活動として何ができるのか。。。
(一体、自分に何かできるのか。。。少し自信がなく、不安がありました。)

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< 事前に気が付いた点 >
ですが、星には誰も手を触れる事はできません。
例えば、「星座線」と「星座の境界線」は誰にも見えません。
「馬頭星雲」を肉眼で見る事はできません。
視覚の不自由な方も、晴眼者も、同じです。
「「触って理解を深める」事は、宇宙に関して特別な事ではない」
私は準備の段階でこの事に思い至りました。(今まで考えた事がありませんでした。)
(※「晴眼者(せいがんしゃ)」視覚に障害なく見える方を指す表現です)

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< 準備したもの >
会話だけで宇宙について正確な科学的情報を伝える事は難しいです。
その為、私は「触ることで理解の助けとなるツール」を準備しました。
「点字」
「点図(イラスト)」
「模型」
「フィギュア」の4種類を、今回のテーマ(太陽系とオリオン座)に沿って用意しました。
また、理解しやすい話の流れ、イメージしやすい話の膨らませ方の順番を考えました。

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< 会場で提供した天文の話題で反響が大きかった3件 >
【惑星】土星と土星の環の形 → 土星の「環」は大小の氷や岩の粒がまわっている。
【星座】オリオン座と馬頭星雲 → オリオン座の領域と1~4等星の配置 → 星座線 →馬頭星雲について
【衛星】地球と月の大きさと距離 →地球の直径は月の直径の約4個分弱。距離は地球の直径の約30個分。

別途、レポートしておりますので、よろしければご参照ください。

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< 来場者の反響 >
来場者は大半が成人した大人の方々でした。男女比は半々です。
「ツールを使用した天文解説」はイベントに来場された多くの方々に体感的に理解しやすい事が喜ばれ、
「理解しやすい」「(ここまでの情報を)今まで知らなかった」「面白い」という感想をいただきました。
視覚障害を持つ方々に宇宙に興味を持っていただける機会となりました。

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< 気が付いた点 >
「星座の領域と、星座線に決まりはない」「馬頭星雲の位置」「土星の環は氷の粒でできている」など、
ややマニアックで細かい話題かもしれない・・・という心配な思いもあったのですが、
「ここまでの話は知らなかった」「盲学校で習わなかった」という話題ほど、喜んでいただけました。

きっかけがあれば、新しい情報を知りたい、宇宙の仕組みを知りたい、という思いも、誰もが同じでした。

「この話は難しい」「そこまでの興味は持てない」というのは、受け手側が判断することであって、
(もちろん押し付ける事は誰に対してもよい事ではありませんが)
会話の流れで様子を見ながらできるだけ多くの話題を提供していく方がよい、という事を実感しました。
その為には、より多くの種類の模型や点図を増やして、「触れる判断材料」を増やしていくこと、
それが大切な「共有」の為の支援であり、求められている事だと、実感を伴って気が付くことができました。

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◆◆理解の助けとなる「触ってわかりやすい」情報◆◆

1:形状がわかりやすい
2:凹凸がある
3:大小がある
4:質感が異なる
5:音が出る
6:動く部分がある
※情報量が適度(多すぎず、少なすぎず)
※触る情報の「差(違い)」(例えば凹凸)が明瞭である

◆◆視覚に障害がある方に解説をする時の配慮◆◆

1:直観的でわかりやすい
2:要点を絞る
3:話の流れがある
4:バックグラウンドの個人差への配慮(視覚障害の程度、症状、視力があった時期など)

→これらの留意点は、誰に対しても配慮すべき大切な事です。特別な事ではない事に改めて気が付きました。
「これがユニバーサルデザインという事なのか」と、体験的に実感として学びました。

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< ポスター発表の反響 >
多くの天文普及活動の関係者の方々に興味を持っていただけました。
具体的なツールを貼付けた「触るポスター」という発表のスタイルもご好評いただきました。
私が実感を伴って気が付いた
「触ることで理解が促進する事は、誰にとっても重要で、特別な事ではないこと」
「配慮する点は、誰にとっても必要で大切な事で、やはり特別な事ではないこと」
という事が多くの方に伝わって共有でき、良かったです。

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< 感想 >
国際光年に「宇宙からの光」の話題をより多くの方々と共有する事ができたことは、
私にとっても大きな喜びとなりました。

私はユニバーサルデザインを意識した天文普及の活動を始めたばかりです。
今後も勉強を続けながら、視覚に障害をお持ちの方々のお話を伺って相談しながら、
ツールを改良しながら育てて、アイデアをブラッシュアップさせていきたいです。

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(参考資料)ポスターのA4サイズPDFは下記からご覧になれます。
点図と模型「触ってわかる」ツールを用いた天文解説【国際光年総括シンポジウム・ポスター発表_2016.1】A4(PDF939kb)
(視覚障害者支援イベントにおける天文解説ボランティアの事例報告)
 


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